「好きだよ」




さよならのことば




そう言ったのは、いつのことだったのだろうか。



私達が付き合いだして、もうすぐ2年が経とうとしていた。
中1の時終わりに付き合いだして、私達ももう、高校1年。
国光は本格的にテニスの道を歩み、現在はアメリカに住んでいる。



その一言の手紙だけでも、嬉しかった。



逢えなくなってもう1年…
毎日の電話と、手紙のやりとりが凄い幸せだった。
マメな国光らしい…と、少し嬉しかったんだっけ。



、日本はどうだ?こっちは毎日充実している』



だけど、最近になって電話は一切ナシ、手紙も全く返ってこなくなった。



「国光…どうしたのかな…」



あなたからの連絡がないと、私は何も出来ない。
不安で押しつぶされそうになるの…



そんな時、不二くんから電話がかかってきた。



「はい」
『あ、もしもし?』
「そうだよ」
『明後日、手塚が帰国するって』
「え?本当!?」
『うん。手塚から連絡なかったの?』
「うん、そうなの!全く国光ったらいつの間に英二くんみたいに人を驚かす事覚えたのかしら」
『ははは…じゃあね』



そう言って切れた電話。
だけど、私の胸は嬉しさでいっぱいだった。



明後日…帰ってくる。
早く逢いたい…!






!」
「不二くん、英二くん!間に合った!?」
「まだダイジョブだよん」
「そう、良かった」
「…あ、来た!手塚!」



ゆっくりと、交わる視線。
逢いたかった国光が、目の前にいる現実に、涙が溢れるのを感じながら、国光に駆け寄る。



「国光!おかえりっ」
「………」
「…国光?」



たぶん、私だけじゃないはずだった。
国光の異変に気付いたのは。



「お前は…誰だ?」



「国光…?」
「ちょっとちょっと、手塚。のこと忘れちゃったの?」
…?そんな奴、知らない」



――嘘の、ようだった。
国光が…私を忘れてるなんて。



「そ…っか、ごめんね、人違いだった」
「え、ちょっと!」



だって、私が知っている国光じゃないもの。
自分に厳しくて、それでも時には優しくて…



、って呼んでくれる声が好きだった。
優しく私の髪に触れてくれる、その大きな手が大好きだった。
――だけど…



「あんなの、国光じゃないよね。私の知ってる…国光じゃない…」



再会した時よりも、流れ落ちてゆく涙。
もう…あの頃の国光じゃ、ないの?
知らない、と言われた。



そのことがとても悲しくて、寂しくて…



?いいの?」
「いいの。もう、国光は私のものじゃないもん」



だから、封印するよ。
あなたとの思い出も、あなたの声も。
全て、心の奥に。



「バイバイ……国光」



誰もいなくなった空間へ、隣にいるのが当たり前だったあなたへ、そう…呟いた。
さよならのことば。








*end*


えっと…さやに捧げます手塚夢!
一応書ききれなかった補足へ。
実は手塚、遠い異国(アメリカ)で事故をして、記憶喪失になっています。
それを書ききれなかったので…分かりにくい話ですみません(>_<)
最初両思い→記憶喪失による終わり。
そういうのもありかなーと思って。








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