何で、私達を殺すの?




Feeling




殺人が、おきる。
人はがたがたと震え、‘逃げる’という思考にいたらない。
ただ、殺されるのを待っている。
ただただ、‘命だけは、命だけは助けてください’と命乞いをする。
自分の命が助からなくても、子供の命だけは、と泣きながら言う。
なんで、そんなこと――助からないと分かっているのに、言うの?
それが、人間の本能なの?
そんな本能、私はいらない。
人間だって、動物…牛や豚の気持ちを考えたことがある?
牛や豚が、どんなに死にたくなくても有無も言わず殺しているじゃない。
牛や豚を、‘食べるため’に飼育しているじゃない。
‘助けて’っていう資格が人間にあると思ってるの?
、ダメだって!」
「………離してよ」
「やだ」
「やだってなんだよっ!離せよ!!」
「やだっ!絶対やだ!!」
「……なんでだよ…何で、英二は私につきまとう?こいつよりも先に死にたい?」
「…死にたくなんか…死にたくなんか、ない。だけど、をほっとけない」
「…なっ」
だって、離せばは人を殺す。
そんなこと、俺がさせたくないから…
英二が云った言葉。
「そんな言葉、信じられると思ってんの?」
「思ってる。何がを変えたのか分からないけど…オレが、助けてみせる」
‘助ける’そんなこと、本当に出来ると思ってんの?
私は、私の家族みんな殺害された。
私は、私の家族を殺した奴らを許さない。
復讐のためなら、私は鬼にだってなってやる。
「だから――…には俺がいるでしょ?俺達、家族じゃん」
「…‘名前だけ’――ね。英二の家族は私のこと、厄介者としてしか見てない」
「俺は見てるよ。は立派な俺の‘家族’だよ」
「………」
「…ね、だから、そのナイフをしまって…家に帰ろうよ…」
こんな感情、いらない。
生まれて初めて、私のことを‘家族’として見てくれた。
‘嬉しさ’という感情なんていらない。
私は、復讐に生きるのだから。
「嫌よ。こいつは私の両親を、兄弟を、祖父母を殺した。だから、許せない」
私はそいつに向かってナイフを振りかざした。
「待って、!この人を殺すのは、俺がさせないから!」
「英二…まだ邪魔するの…?あんたから先に殺してもいいのよ?」
「だって、俺はみんなの気持ち知ってるから…俺の親や、姉ちゃん兄ちゃんの気持ち、知ってるから…」
「…え…?」
「兄ちゃんも姉ちゃんも、母さんも父さんも、みんな、みんな…のことを思って来たんだよ…?」
「嘘だ!みんな、私がいると何か怖いものでも見たような顔をする。私が近くにいると、逃げるように立ち去る。それなのに、私のことを思ってたって?そんなこと、あるわけない!」
「本当だよ。みんな、のこと心配してた。今だって、のこと心配してる。そんな態度とったのは…にどう接して良いのか分からなかったから。のことを勇気づける言葉が見つからなかったから」
「そんなこと…な…」
ない、と言い切りたいのに、言葉が出てこない。
どうでもいい私のことなのに、誕生日を祝ってくれる?
買い物行こう、って誘ってくれる?
みんなが私を厄介者として見てるんじゃない。
私がみんなをそう思って見てきただけなんだ。

こんな感情、いらない。
私は復讐に生きるのだから。
でも――…
みんな、家族のみんな。
ごめんなさい。
私は、私は、‘復讐’をもうしない。
ひとりぼっちだと思っていた私にも家族が出来たのだから。

なぜ、関係ない私達が殺されるの?
それで何人、家族がいなく、孤児になるの?
だけど、いつかはきっと血のつながりなどない人とだって‘家族’になれる日が来るのだから。
復讐など、人を殺すなど、考えないで。
私のため、じゃなく、‘家族のため’に生きて。








*end*


類『はい!完成!さっきとは視点が違うお話です^^』
英二『なんか暗い…』
類『うん、そうだね…私、もともとは明るい話が好きなんだけど(笑)』
英二『これって?』
類『ああ、そうそう。これは、‘類にメールを送って下さってからのみお持ち帰りOKです☆』








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